ウエスト部分の両脇にゴムが入ったスカートの作り方の解説です。
スカートだけでなく、パンツも同様です。また、脇ではなくても、一部ゴム入りも基本は同じです。
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縫い方は人によって違うので、一例だと思ってください。
(解説しているにもかかわらず、この通りに縫っていたり、いなかったり…。)
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裁断・接着芯を貼る・印つけ・布端の始末が終了している状態からの解説です。
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ベンツ開き、裏地付きのスカートの作り方
スリット開き、裏地付きのスカートの作り方

ウエスト部分の両脇にゴムが入ったスカート
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 型紙は両脇ゴム入りのスカート用のものを用意します。パターンブックなどを参考にしてください。
 普通のウエストのスカートを縫ったことがなければ難しいです。意外と難易度高めです。
 縫い方の手順 @〜Hまでと、Jはベンツ開き、裏地付きのスカートの作り方と同様です。
手順
@ダーツを縫うA後ろ中心を縫うBファスナー付けC脇を縫う
Dベンツを作るE裾の始末をするF裏地を縫うG表地と裏地を合わせる
H裏地の始末Iウエストの始末Jホックとループを付ける 
@ ダーツを縫います。
A 後ろ中心を縫います。
B ファスナーを付けます。
C 脇を縫います。
D ベンツを作ります。 または、スリットを作ります。
E 裾の始末をします。
F 裏地を縫う
G スカートの表地と裏地を合わせる。
H 裏地の始末をする。 
I ベルトを作ります。
 ベルト芯とゴムの準備をします。
 ベルト芯はパターンの通りの長さに切ります。(今回の場合は、前が1本。後ろが2本。)
 ゴムは必要な長さに縫い代をつけた長さに切ります。
 縫い代は大体1p〜1.5pぐらいです。2pくらいあってもかまいません。
 ゴムのしるしの部分にベルト芯の端を合わせます。(水色がベルト芯)
 ピンで留めても留めなくても構いません。
 ベルト芯とゴムを縫い合わせます。
 ミシンでも手縫いでもかまいません。
 縫い方に決まりはないので、はずれないように縫っていればどんな感じでも大丈夫です。
 縫い目は少々粗くても、ぐちゃぐちゃになっても構いません。見えないところなのできれいに縫えなくても大丈夫です。
 一本のベルトにして、完了です。下図の下側は裏から見た図です。
 ベルトを付ける前に、ウエストの印通りに表地と裏地を合わせます。
 まず、両脇・前中心・ダーツをまち針で留め、他にも何ヵ所か留めていきます。
 裏地のベンツを縫っていない場合の止め方は、裏地の中心側に近いほうの印をダーツに合わせます(赤線)。次に脇側の印をダーツに合わせ、まち針で留めます。
 表地と裏地のしるしが合わない場合はダーツの幅で調整してください。

 しつけ糸で表地と裏地を荒く縫いつけておくと、後でやりやすいと思います。
 ベルト布を縫いつけます。
 ベルト布と表スカートを中表に印通りに合わせます。持ち出しのある方は、ファスナーの開きの下側に来る方に付けます。
 まち針で留めるだけでも構いませんが、しつけ糸で縫いつけて置きます。
 ミシンをかけます。最初と最後は返し縫いします。手縫いの場合もしっかりと留めておいてください。
 先ほど作ったベルトを縫いつけます。

 ベルト芯を縫い代に置きます。
 ベルト芯の後ろ中心と生地の後ろ中心、ベルト芯の前中心と生地の前中心のしるしを合わせます。
 縫い目ぎりぎりに置いてください。縫い目に重ならないように気を付けます。
 ちょっと硬いですが、まち針で留めます(針は曲がるかも…)。前後の中心からゴムの方に向かって留めていきます。留めなくてもいいのですが、縫っているうちにずれてきて、しるしがずれるかもしれません。
 ゴムの部分は何もせず、そのままにしておいてください。

 ベルト芯だけミシンで縫いつけます。目は一番荒くしてください。ミシンが心配な場合は、しつけ糸で手縫いしてください。
 縫い始めと縫い終わりは返し縫をしてください。手縫いの場合はしっかりと留めておいてください。
 ゴムの部分の生地がたるんだ状態になっていると思います。

 ベルト布をベルト芯にくるんでみて、印がずれていないか確認します。ずれていたら印を付け直します。
 ベルトの仕上げ方には、手縫いでまつる仕上げとミシンで仕上げる方法があります。まずはどちらか決めましょう。
 手縫いは時間はかかりますがやりやすいと思います。ミシンは手っ取り早いですが、慣れないと難しいです。
 手縫いでの仕上げの場合、ベルト布の縫い代を印通りに折り(緑線)、アイロンで押さえます。
 ミシンでの仕上げの場合、印より2〜3mm縫い代側で折り(青線)、アイロンで押さえます。
 縫い代を布の耳で取っていたり、ロックミシンやジグザグミシンなどで始末していたりする場合は、折る必要はありません。持ち出しの部分だけ折っておきます。
 ベルトの両端の始末をします。
 図のようにスカートに縫いつけていない方の縫い代は折らずにまっすぐな状態で、真ん中の印通りに中表に折り、まち針で留めます。
 図のようにミシンで縫います(赤点線)。仕上げの印より少し縫い代側を縫います。最初と最後は返し縫いします。
 縫い終わったら表向きにします。(ベンツの角と同様のやり方です。)
 ベルト全体を表向きにし、ベルトの縫い代を内側に入れ、形を整え、まち針で留めます。
 先にベルト芯の部分を留め、後でゴムの部分を留めます。
 ゴムの部分は生地をしっかりと引っ張って生地がよれたりしないように気をつけます。きれいに収まらないときは、ベルト芯の部分も留め直してみてください。
 待ち針で留めた後、しつけ糸で縫い留めます。縫わなくてもかまわないのですが、出来ればゴムの部分は縫い留めてください。
 手縫いの場合は、端から端までまつり縫いします。ミシンの縫い目にまつる感じです。
 ミシンの場合は、表から縫い目の上にミシンをかけます。「落としミシン」と言います。
 ミシンをかけるのは、スカートとベルトの縫い目です。持ち出しの部分は縫いません。
 スカートの生地とベルトの生地をできるだけ引っ張って開き、縫い目にミシンをかけます。最初と最後は返し縫いです。
 ベルト側の布に針が落ちないように気を付けます。またスカート側にはみ出すのも良くありません(矢印)。

 ミシンの金具はファスナーをつける時に使った「片押さえ」を使うとやりやすいと思います。
 ゴムの部分を縫うときは、生地をしっかりと引っ張って、生地がよれないようにしながら縫います。ここが一番難しいです。
 片手でミシン針の向こう側へ生地を引っ張り、もう一歩の手で手前に引っ張ります。縫うのはミシンの進むのに任せて、とりあえず生地を伸ばすことに専念します。ここは先に説明した「落としミシン」のようにきれいに縫えなくても、ゴムでできるギャザーで見えなくなるので多少のことは気にしないでください。
 引っ張りながら縫い続けるのは難しいし疲れるので、何回もミシンを止めることになると思います。その時は必ずミシン針を生地に落とした状態にしてください。

 裏側を見て、縫い代を縫い損じていないかもチェックしてください。縫えていなければ、その部分を解いて、縫い直してください。
 持ち出しの部分はどうするのかというと、手でまつり縫いします。手で縫うのが面倒だったら、どうせ見えない部分だからいいやっ!という感じで、ベルト自体にミシンをかけてしまいます。
 生地の上からゴムの部分にステッチをかけます。ここでは一番よくあるかけ方を解説します。
 ベルト芯の端から5mm位のところを縫います。生地の上から触るとわかると思います。最初と最後は返し縫いをします。

 ゴムの部分はまたまた引っ張りながら縫っていきます。最初と最後は返し縫いです。
 ゴムの勢いでミシン目が飛ぶことがあると思います。とりあえず、そのまま最後まで縫って、あとから重ねて縫って、飛び出している糸を切ってください。

 実際には見えないですが、上図のようなイメージです。

 以上でベルトが完成です。
J ベルトにカギホックを付けます。
 カギホックを付ける位置は、三角っぽい方が持ち出しの付いていない方で、長方形の方は持ち出しにつけます。
 三角っぽい方は、ベルトの端から2〜3mm位のところにホックの端が来るように付けます。
 長方形の方は、ファスナーを閉じてベルトをきっちりと合わせて、三角の方が当たる位置を確認して、適切と思われる位置に付けます。
 ループを付けます。
 表地と裏地をループでつなぎます。つなぐ位置は表スカートの脇の裾と裏スカートの脇の裾です。表も裏も裾の折り返しの上方辺りでつなげば良いと思います。脇の縫い代でも構いません。
 図のようにくさり編みでつなぎますが、下図のように糸を何回か渡すだけでもかまいません。
 太めの糸が良いのですが、なければ2本取りで行ってください。
 最初と最後は何回か生地に糸を通して下さい。
 長さは3〜5cmくらいです。測らなくても感覚で大丈夫だと思います。

更に詳しく→ 糸ループの作り方
 以上で完成です。
 縫い方はいろいろあるので、他の縫い方と合わせて、やりやすいものを見つけてください。